患者に告知、誰も考えず 薬害肝炎で厚労省が職員に聴取薬害問題の根源は731部隊に帰結する

　血液製剤フィブリノゲンでＣ型肝炎に感染した疑いがある患者４１８人の
リストが放置されていた問題で、厚生労働省の調査プロジェクトチーム（ＰＴ）は２２日、
職員からの聞き取りなどによる中間報告を発表した。０２年のリスト作成時に関係した
厚労省職員約４０人に事情を聴いたが、当時、患者に投与の事実などを告知
すべきだと考えた職員は一人もいなかったという。 
　ＰＴの実質的な責任者である西川京子副大臣らが記者会見で明らかにした。
リストは医療機関からの副作用報告をもとに、０２年に製造販売元である旧三菱ウェルファーマ
（田辺三菱製薬）が厚労省に提出。その時点で厚労省は２人、
同社は１９７人の実名などを把握していたが、患者本人に告知しなかった。 
　聞き取り調査に対し、職員全員が「感染事実は医師から患者に伝わっていると思った」
としたうえで、「告知に思いが至らなかった」などと話した。「いま思えば、告知すべきだった」
と話す職員もいたという。 
　ＰＴは厚労省職員やＯＢのほか、田辺三菱製薬の担当者、肝炎の専門医らから話を聞いた。
今後、患者や産科医からも聞き取りを行い、今月中に最終報告をまとめる。
職員の処分も検討するという。 
　また、舛添厚労相は国会答弁などで「リスト問題だけでなく、
（肝炎の集団感染が起きた）８０年代のことも洗いざらい検証する」
と述べてきたが、ＰＴは０２年当時の調査が中心で、
それ以前の製剤承認をめぐる対応などは聞き取りができていない。
舛添氏は同日夕、記者団に「リスト問題の背景についてもできる限り
（調査を）やりなさいと指示している。やっていないのであれば、
（最終報告まで）１週間以上あるので、きちんとやってもらう」と語った。
リストの患者が医師からどのような説明を受け、治療を受けたかなどについては、
医薬食品局に別チームをつくり、検証する。西川氏は「時間や人数の制約で、
このチームではできない」と説明した。
　リストが地下倉庫で５年間放置されていた問題については、
西川氏は「明らかにずさんだった」と認めた。倉庫での公文書の保管状況を
厚労省が把握していなかったという。　　　　　　　「asahi.com」より

一昔前に起きた「薬害エイズ問題」の時もそうであったように、
今回の「薬害肝炎問題」も悲しい被害を被るのは国民である。
この「薬害肝炎問題」でとりあげられている「田辺三菱製薬」とは
旧　三菱ウェルファーマと言う企業であり、この三菱ウェルファーマは、
あの「薬害エイズ問題の元凶となった「ミドリ十字」であることは
皆さんもご存知の事と思う。
そしてこのミドリ十字の母体が、かつての「731部隊」なのである。
731部隊に関しては以前にもこの ブログで少し紹介したとおりでありますが、
結局、戦中の出来事の歴史的精査をきちんと行なってこなかった
日本というこの国の深部には我々一般国民の持つ
「生命尊重論」とは違う次元の価値観を持つ人種が残っているという事
だと思う。
731部隊の詳細についてはご興味のある方は専門書などでお調べ頂くのが
適切かと思いますが、今回の記事にあるように
「告知に思いが至らなかった」という厚生労働省の弁は、
言い換えれば、
「C型肝炎に感染しているという事実を被害者は何も知らされずにいる」
という事を知っていながら何も行動を起こさなかった、という事である。
穿った見方かもしれないが彼等「薬物に精通する識者の一部」は
人の生命をモノとしか見ていないように思える。
もうそろそろ、国民は「役人の中にはそういう価値観で国民を見ている」
部類も存在するという事実を認識しなければならないのではないか。
しかもそのような価値観を持つ方達が政治の中ではかなり中心に近い
処に居るという事も忘れてはならないだろう。
「アスベスト」「タミフル」などもそうでありますし、福祉行政も然りです。
我々の価値観とは少し違ったところで重要な事柄が決められている
ような気がしてなりません。