社長の厄落とし会

我が町工場の社長の厄落とし会に出席しました。
場所は名古屋市南部にある大衆居酒屋さんで
この店を借り切って執り行われました。
女性社員と嘱託社員を除いた略全員が参加しました。
私も厄落しは熱田さんで行いましたが、
ウ～ん　やった方がいいのでしょう。

宴会は午後５時スタートでしたが皆が揃ったのは
２０分を過ぎた頃。
始めに社長の話がありその後社長と同い年の
M君が挨拶に立ち、乾杯の後直ちに宴は始まりました。

社長として、そして社会人として、また父親として
いろいろと思い悩むところがあるようで、
私は自身の心に響く彼の一語一句をじっと聞いていましたが、
他の若い社員達と会社のNo,２はその後は
自分達の好きな話題で盛り上がっていました。

私が座った席の前には我が町工場の中で「職人」と
呼べる数少ない中の一人M氏が座りました。
彼との会話は当然機械加工の話です。
そして教育論へと進みました。
そうです。　如何にして後輩を育てるか　という事です。
丁度M氏の筋迎え、私の左側には現在M氏が教育中の
S君が座っていたので、私は彼に言いました。
「今、自分が出来なくても目の前の職人の仕事を
見ているだけでもそれは大きい意味を持つよ。
それは必ず将来自分を何かの形で助けてくれるから」と。

私はこのような「ただ酒」の場合は、何時も必ず
「何かを残していこう」と思います。
今日はそのS君の心に何かが残ってくれれば
嬉しいなと思います。
””職人は死なず、ただ消え行くのみ””って
ダグラス　マッカーサーではありませんが、
誰だって永遠ではない。
若き彼を教えるM氏でも、私でも然り。
しかし、その技は引き継がれてゆけば　これは
永遠に残せるものになります。
師から弟子への技の伝承、
それはとてつもなく大きなものであり、
場合によってはその人の人生さえ動かす事もある。
技術の伝承とは実はそういった　非常にスケールの
大きなものであるという事を今の若者達が
判ってくれれば良いのだが。
今はなかなかそういう形で捉える若者は
いそうもない。
が、これも時代か。

いにしヘの　たくみが　たすく　わが　みなり