30.05角のポケット加工

 

加工に関する記事ですが何年ぶりでしょうか。
加工サイズはXYとも30.0＋0.1公差、Z-8.0±0.1のポケット加工
なので狙い寸法は30.05 Z-8.0です。
荒加工は京セラφ10高送りラジアスで領域切削。
底壁とも0.05残し。
コーナーは図面上はR4なのですがコーナー逃がしをして
XとYのラインとコーナーのR4との3点交差円弧形状にして
加工しました。
使用するカッターがφ10.0なのでRは5.1とし、
要するに中に嵌り込むモノの角が干渉しなければ良いという条件の
下での加工という事になりました。

コーナー逃がしのパターンは幾つも在ります。
元々図面に逃がし形状と寸法が記載されている場合も有りますし
任意とされる場合も有ります。
今回の加工事例はその1例であります。

仕上げカッターは住友電工のφ10.0ショルダーカッター2枚刃を
用いました。
径補正は4.986として狙い寸法はXYとも28.05です。
ワーク材質はSCM440　硬度HRC35～38程度なので
周速はV=200m/min　送りは0.15mm/刃　切込み1.2での加工です。

写真のゲージブロックは25+4+1.04=30.04でXYともにピッタリ入りました。
しかし30.05のゲージブロックは入らなかったので測定結果としては
30.04～30.049という事になり、
狙い寸法より最大で0.009ミリ外しました。
ポケット加工や真円加工での内外径でいうこの数値は径補正に置き換えると
出来寸法の半分に相当する数値の誤差という事になりますので
今回の私の加工誤差は片側0.0045ミリという事になります。
ちなみに深さの出来寸法は8.01でした。
工具長補正と加工のタイミングが少しズレたかな？
DIYではミリやセンチの領域で奮闘しておりますが本職のマシニング加工
ではこのような1/1000ミリの世界で仕事をしています。
  
たまには専門的な記事も良いかと思い、UPしました。