尊いのだから

今日 帰宅途中の電車の中で高校生のカップルを見た。

見るからに真面目そうな 最近では珍しいとも思えるほど

清々しい二人だった。

車両が揺れる度に彼女の体が不安定になりそして揺れる。

彼の片手は吊り革にあって

それで　もう片方の手が素早く彼女の体をしっかりと掴む。

その時　彼女は彼の胸に体を預ける。

その二人を見ていて私は思わず微笑んだ。

その時　彼女が私の顔を見て反対の方を向いた。

きっと恥ずかしいのだろう。

青春という名の甘く素晴らしい時の

真っ只中にいる二人にエールを送りたいという

センチメンタルな自分に気付いた時

「時間よ止れ」と 思ったヨッチャンでした。

時は永遠ではなく　そして不変でもない。

悲しみも　歓びも　消えることなく　さらさら　流れてゆく

美しき感慨も　晴れ渡る空も　無限の若さも

悲しいまでに　さらさらと流れこぼれてゆく

その事に　気付かないままでいられる時代の事を

「若さ」と呼ぶのだとしたら

ああ　それを　悲しく想う事を　「老い」と呼ぶのだろうか。

ともかくも　君達よ　若い時間の間に　有限の時間というものを

感じ取って欲しい。　　有限だからこそ

その手にした愛は　尊いのだから。

　　　　　　　　　　　　　　　　　MCヨッチャン