「方向転換」 やはり本当の事が知りたいのでは

沖縄普天間基地の移設問題がいつの間にか政権危機問題となってしまいましたが
このドタバタ劇は規模の大小の違いこそあれ　家庭も　企業も　そして国家も
同じ部分がネックになっているのではないだろうか　　と　　考える。

「本当は何を守りたいのか」「本当は何を得たいのか」「本当は何を失いたくないのか」
つまりは　そういう事だろう。

何故沖縄に米軍基地があるのか？という前に何故日本に米軍が必要なのか？
という事ではないのか。

そこで当然近代日本の歴史教育というものがクローズアップされてくる。
特に明治維新からの国家形成の成り行きとその過程での諸外国、
とりわけアメリカとの関わりがどのようなものであったかという事は
本来、無視できるものではないだろう。
私の経験から言えば　学校で学習した日本史というものは日本という
「二つの国家の議事録の読み聞かせ」をしただけであり
簡単に言えば「精神国家　日本」と「単一民族国家としての矛盾」
という事を回りくどく　解りにくく説明してきたものだったと思う。

「政治に宗教が関与してはいけない」等と言いながらも　その根幹部分の
哲学を説明しているだろうか。
何故あの太平洋戦争は起きたのか、そして何故日本は敗戦国となったのか。
敗戦国としての日本にアメリカは何をしてきたのか、
日米安保条約の真髄は何か、日本は独立国家としての看板を返してもらう見返りに
何を放棄したのか、そしてそれらは現在　どうなっているのか
更には　その流れを今後の日本はどうするべきなのか、
現実問題として何が可能で何が不可能なのか、そしてそれは何故なのか、　など。

解らない事が多すぎて、そして政治家も「何を何処まで公にして良いのか」
それが解らないのではないだろうか。

確かに世間の中では　また社会の中では「推して知るべし」という部分がある。
それを上手に使いこなす人の事を常識人とも良識人とも　そして大人とも言うのだろう。
それは企業にも言える事ではないか。
「会社は何の為にある？」
もし私が経営者ならばこの問いに対して
「従業員とその家族の為にある」と答える。但し　その「推して知るべし」という部分を
言えば「経営者の為にある」という事なのだけれどそれは立場が変われば
答えも変わるという事である。問題は経営者が何処を見ているのかという事。
そこには　ある程度企業の持つ強みとか余裕とか　そういった側面的な要素も
含まれているけれど
間違っても国家の為とか世界平和の為等と言う経営者は稀だろう。
それが二次的に可能な目標であり理想であるならば理解できるが。

今、国家の歴史と将来の在り方を考え直す時期に来ている事を感じている
政治家がどれだけいるのだろうか。
そこで政治家の方々に考えて頂きたいと思う。
「日本は何の為にある」のか。
本当に能く考えてもらいたい。
国家間の緊張を改善する方法は軍備しかないのか。
何故、日本は自国防衛を半ば放棄してアメリカに依存するのか。
米軍駐留費用に見合うだけの自国軍の形成はできないのか。
自衛隊と駐留米軍を足したモノが現在の日本の軍事力であるならば
その規模と軍備形成哲学は何だろうか。
沖縄県から米軍を撤退させる為に可能な方法は実在するのか。
実在しないのであれば憲法に問題があるのか
それとも別の問題なのか　或いは複合的な問題なのか。
そもそも日本国憲法は与えられた憲法であって日本のオリジナルではない。
その事が永遠に変わらなくても良いのかどうか。

戦争ほど悲惨なものはない　戦争ほど哀れなものはない。
かつての大戦で日本は三百数十万人もの犠牲者を出している。
しかもその中の百万人以上が一般の民間人なのだが
その反省をすべき上で何か大きな忘れ物はないのだろうか。
泥水を啜って生き延びた日本人がいた傍らで金の亡者となった
日本人もいた。その矛盾と歪の中で本来　尊いとされるモノを
無くしてはいないだろうか。
本当に尊いものは何か
そしてその順序を間違えていないだろうか。

さて　今度の参議院選挙では天候が良ければ政界が大きく変わるだろう。
日本よ　何処へ行く？