黒部ダム・家族で信州旅行 3日目ママと長女はダムの放水、私はモノづくりの原点を見に

2018年の信州旅行も三日目になりました。
写真は今日の天気の状態から「どこかへ行けるかも？」
と期待してコテージ前で撮った長男の「ニコッ」。
長男は最重度の自閉症をもちますが周りの空気を読む能力は
健常者のそれよりも遥かに優れています。（いつも感心します）
そしてコテージを出る前に室内の写真を一枚。

実は今日の天気も腫れるのは午後の僅かな時間までで
おそらく夕方からはまた雨が降るようなので今回の旅行の
メイン「黒部 アルペンルート」はダッシュの出発となりました。
 
　出発地点の「扇沢駅」に到着。
　なんとか始発に乗れるかなぁ？
　と長女の運転は快調に飛ばし、
　途中で猿の軍団に遭遇しながらも
　無事到着。
 
 
 
 
 

バス乗り場に行く前にゲートで時間待ち。
場内では黒部アルペンルートの紹介のVTRが流されていました。
それと、私達のような初めてのお客さん向けの説明などを
担当する方の話し方がとても面白かったです。
 


ロープウエイからの眺めは良かったです。
標高が高くなるにつれ次第に寒くなってゆきました。
とにかく山の中をぶち抜いて作られただけあって
ずーっと地下です。

 

ダムに行き着くまでには幾つかの停留所があって散策時間も
思ったより長くありました。 
 


黒部湖は美しかったです。
しかし標高が高いので少し早歩きをすると息切れしました。
ママは結構キツかったみたい。
 


ダムに到着した時間が速かったので太陽の位置が低いです。
それにしても豪快です。
これを人が造ったのかと思うと感動します。
一体どれだけの人が携わって、どれだけの死闘があって、
工事の中で大勢の作業者が亡くなられたという事は知っていますが
でも、関西電力の事業と言いますがこれって国家プロジェクトですよ。
あの戦争が終わり、平和な国になってもこうして国の為に命がけで
モノを造る人たちがいたんですね。
本当に日本人の誇りです。
おそらくこれだけのものを造る中でそれぞれのスペシャリストが
いて、それがエンジンとなってね。
「俺たちがやらなきゃ誰がやれるんだ」って言うプライドです。
そういう意味では戦艦大和も零戦も、飛燕だって
そんな熱い男たちがやり遂げたんだよね。



で、そろそろお昼近くになって、遊覧船に乗る事になりました。 
 


船着き場まではこの心臓破りの階段を降りなければならず、
上から見ただけで「キツそう」 
 
　船の中は綺麗でした。
　船長さんも優しい人だったし。
　ベテランさんだから安心して
　乗っていられました。





 

高地の景色はいつ観ても良い。
このダム湖が出来るまではきっと未開の地だったんだろうな。
窓から入ってくる風は少しだけ冷たいけれど空はどこまでも
晴れ渡っている。。。

 

こんな空の日は坂井さんや西沢さんが飛んだとしても
戦闘の事をほんの少しだけ忘れる事ができただろうな。

「ここは黒部ダム中心」
ダムの高さ186m ダムの長さ492m 標高1454ｍ
この表示もいつか誰かが取り付けたもので、
そういう思いで見るとすべての物に「人」があり、
すべての物に想いがあります。
そういうのってモノづくりの素晴らしいところなんですね。 
 
　で、楽しみにしていた
　ダムカレー！
　食べる標高が高いので
　値段も高いです。

　でも記念だし、ダムだし。

　しっかし食堂の中は満員コン。
味はオイシカッタ。
昼食後は自由時間。　ママと長女は延々と長い階段を上って展望広場へ。
私と長男は散策。

黒部ダムのすぐそばに１７１名の殉職者を慰霊する「６体の人物像」
が安置されています。
私は長男と二人で慰霊碑の前に立ち、一礼して手を合わせました。
じっとその「６体の人物像」を見つめていると私たちの後ろに
スーツ姿の男性たちが大勢（７人くらいだったかな）立っていてその中の
長老と見受けられる方が他の若い方達に語り始めました。
「新入社員の方達は必ずここへ連れてきます・・・・・
　あなた達の大先輩です・・・・」
どうやらこの慰霊碑に関係する人達のようで、よく見ると皆　ネクタイが
黒いのです。

私はその光景を見て
「あぁ、社員教育の一環なんだなぁ。こうして自分たちの仕事が
　かつての先人たちの努力の上に成り立っているという事を教えているんだ」
と思いました。

日本の製造業も、まだまだ捨てたもんじゃない。

今日は記憶に残る一日でした。