三式戦闘機「飛燕」に会いにかがみはら航空宇宙博物館へ

　各務原市で「飛燕」の復元工事が為されている
　事は聞いていましたし、その後あちこち移動
　している事も知っていましたがようやく
　「飛燕」の生まれ故郷である岐阜県各務原に
　戻って来た事を知り、さっそく会いに行って
　きました。
　7月の暑い日でしたが飛行機大好きの長男と
　二人での小ツアーです。

自閉症の長男とはこうして二人で出かける事が多いのですがこの日は
目まいがするくらいの暑さ。長男もよくついてきてくれたと思います。

　博物館の外も中も航空機が多数展示されており
　おそらく国内最大級ではないでしょうか。
　私のような飛行機マニアには正に楽園です。
　空調もしっかりされていて食事コーナーや通路
　なども安全面や使いやすさをしっかり考慮された
　作りになっています。
　私はどちらかと言うとレシプロ機が好きなので
　そういう点でもここ「かがみはら博物館」はお気に入りです。




さて、左が旧大日本帝国陸軍機の「三式戦闘機 飛燕」。
右が旧大日本帝国海軍機の「一二試艦上戦闘機」、後の零式艦上戦闘機です。
「飛燕」は日本軍機の中で唯一液冷エンジンを搭載した実働戦闘機ですが
川崎航空機の土井武夫先生が主務となって設計された機体です。
一方、「一二試艦戦」は映画　”風立ちぬ”で有名な三菱重工 堀越二郎先生
による設計ですが、この両機はその設計コンセプトが全く異なるという
事も関心に値します。


これが「飛燕」搭載の 「ハ40エンジン」です。
ダイムラー ベンツ製のDB-601を日本がライセンス生産を行い、
その生産の大半は川崎航空機 明石工場で生産されていたそうです。
液冷式倒立型V12エンジンは排気量＝33900CC、馬力は（離昇）1175馬力。
当時の日本工業会の工作技術では完全な複製は困難だった為、投入初期の
実際の戦闘では搭乗員たちの評価が低かったという事ですが皮肉な事に
大戦末期の本土防空戦ではその頑丈な機体設計が高く評価される事となり、
私の所感としてはこの機体がもう2000機ほど多く作られていればなぁ、、
と思います。


この二枚の写真は左が「飛燕」そして右が「一二試艦戦」
それぞれのコクピットの計器盤です。
光学式照準器がカッコいいですね。

一方は戦中戦後もいろんな意味で日本を代表する「ゼロ戦」、
そしてもう一方は私のようなマニア以外にはあまり知られてこなかった
傑作機。　そう思えば思うほどあの戦争って誰にとっては何で、
他の誰かにとっては何だったのか？と考えさせられます。
いずれにしてもこの機体を作っていた当時の技術者や、
また直接製造に関わった技能者たちの熱き想いを感じます。
私はこの「飛燕」を前にして涙を抑える事ができませんでした。
係りの方の許可を頂いて体を密着させ、そして頬をそっと機体に
乗せてみました。

今、静かに立っているこの機体達は私たちに何を語ろうとしている
のだろうか。


　で、館内を見終わり屋上で長男の
　「ニコッ」。
　こうして熱い一日が終わりました。
　この帰りに立ち寄った喫茶店で
　昼食を取ったのですが、、、、。
　店の中で大変な事が起きまして。
　まぁ、よくある事として、
  まことに今日は良き日でした。