住友電工のSECウエーブミルWEZ型これは頼りになる

　私は機械加工を長年やってい
　ますがその中で使用した工具
　の数はおそらく数百になるかな？

　そして使用した工具の種類を
　言えばこれまた百では足りない
　位だと思います。

でも多くの工具を使ってきても
「これだ！」と感じる物は案外少ないものです。
 
 まぁ、機械加工とりわけNCプログラム加工において
工具の選定をする場合に最も重要な要素の一つとして
その工具の信頼性という事が挙げられます。
信頼性と言っても使う人の考えにも左右されますが
私の場合は無人加工で安定した切削を行う事を最重要テーマ
としていますので問う事としては
「ボディー強度」「突き出し長さに応じた剛性」
「チップの切込み性」「チップの寿命」
等ですが、これらの全てを満たした工具となると先に申しました
ようになかなか出会えないという事も現実としてありました。
で、今回。
住友電工から発売されている表題の「SECウエーブミルWEZ型」
は従来のいわゆる「側面美麗タイプショルダーカッター」
としては非常に高い次元で私の我がままな要求を全て満足させて
いる優れたカッターです。
使い始めはデモ機を出して頂き、試し削りを行いました。
加工内容は工具鋼のSKT4材で硬度はHRC43～46という中硬度材。
このワークの板厚3ミリを工具全径で特定の形状に切り抜く
と言う加工です。
中硬度と言いましてもSS400や45C或いは55C等の材料と比べれば
遥かに硬く、多分一般の鉄工場辺りでは加工不可となる場合が多い
材質です。
この材質での「切り抜き加工」ですが、加工の経験者であればこの
加工が過酷な条件である事を理解されると思いますが私はこの加工
において、従来型のショルダーで行っていました。
そこでいつも思っていた事は
「もう少し耐久性が高い工具は無いかな？」
「無人加工で使うにはリスクが高い」
という事でした。
しかし今回のこの「SECウエーブミルWEZ型」を
使ってその問題は予想以上に高いレベルで解決されました。
久しぶりに出会ったスゴイ奴。
今現在、高送り系ではタンガロイが頭一つ出ているかな？
ドリルではキョーセラがダントツでしょう。
面取りでは三菱日立かな？
で、ショルダーでは三菱マテリアルが高い信頼性を維持しています。

そこへ殴り込みを掛けたのがこのウエーブミルですかね？
本当にすごい工具です。
ただ、住友さん高送りをもう少し頑張って欲しいかな？？
 


そしてそして、その住友電工さんが我が町工場を訪問して
くれまして。
まぁ、俗にいうフィールド調査っていうのかな？
「ウエーブミルをお使いになられて如何ですか？」
という内容ですが、私の返事はもちろん二重丸。
で、いろいろ話をしながらこちらの要望なども伝えて
ひと時は終わりましたがそのお礼にと言う事で下さったのが
上写真の扇子。
社名も入っていますね。
さっそくママへのお土産となりましたが暑い夏に一つは
持ち歩きたい大人のコソットアイテムです。
尚、私の切削条件が次回からのカタログに掲載されるかも
しれないとの事を聞き、以後も精進を重ねなければという
決意を新たにしました。
載るか載らないかわからないけど。。。 
 
　扇子を広げるとこんなん。

　ママ曰く
　「個性が無いね」

　私答えて曰く
「だってセンスだもん。センスしかないよ」

当分の間、このウエーブミルにはお世話になりそう。

久しぶりのマシニストの記事でした。